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La'cryma Christi Live Report

White Period 2007.01.20
---Zepp Tokyo


出てきてくれて、そして楽器を持ってて。
それがもうとても嬉しかった。もうあとは何をやるかなんてわかっていたから。

「おまえたちの、ありがとうって気持ち、ちゃんと伝わった」
と、リーダーは言った。
そうか、伝わっていたなら、それでいい。

他の人はどうかは知らないけれど、私の中は、いっそ晴れ晴れしいほどに、感謝の気持ちで。
だからそのリーダーの言葉に、反発めいたものはひとかけらも生まれなかった。

「よく手紙とかで、俺達に救われました、って書いてくれてるけど、実はそれだけじゃないんだよ」
と、一呼吸おいて、彼は言った。
「俺達が、君たちにいつも救われていた」
と。
多分ここのセリフは忘れられないなと思う。
そう言ってくれたのが嬉しかった。
ここのMCではなかったけれど、確かどっかのMCで、「君たちが応援してくれなければ俺達はここにはいなかった」
っていうのがあって、それと同じなんだろう。

「解散はしてしまうけど、いなくなるわけじゃないから」
とか
「俺達はおまえ達が望むならいつでも、LEVINはドラムを叩くことができるし、SHUSEはベースを弾くことができるし、
HIROはギターを弾くことができるし、俺は・・・歌を歌うことができる」
と。
この辺りで近くの人が大号泣していて。
そうだな、そんなこと言われても、心底欲っしていたのはラクリマクリスティーっていうバンドであって
そんな言葉は何の慰めにはならないんだろうな。
でも、私はライブが始まる前から思っていた。
ここは貴方達にとっての通過点だ、と。
だから、本当はラクリマクリスティーで在って欲しかったけれど、もうそれは言っても詮無きこと。

「だからこれからも俺達のことずっと好きでいて下さい」

・・・懐かしい言葉に。いや、疑問形ではなくなったその言葉が、何だかとっても印象的。
それでもじーんともうるっとも来なかった自分もどうかと思うけど。
でもぶっちゃけ、ALvinoを見始めてきちゃってるからね。
彼らが、バンド名という肩書きが変わってしまっても輝けることを知っているから。

「しめっぽいのは俺達には似合わねぇや」
と、少し右を向いてマイクから顔をそらして、息を吸って。

「まだまだ元気かー!」
みたいに、ちょっとキレ気味で客を煽って。

「お前達の心のシャッターに、俺達のこの姿を刻み込んでおいてくれ!」
って。
ああ、そうだな、そうしないとダメだな。
前に本気だして、心のシャッター押したのは、5人のラストライブだったから、
ちゃんと4人のラストライブも永久保存版で記録しないとなと。思った。


そして。
本当に本当に最後の。

「ラストソーングフォーオール・・・・・ザセント!」
で、THE SCENT。
ぎーやーやーーあー、と、悲鳴なのか歓声なのか、何なのか。
ものすごい声と共に始まり。
そして、始まった瞬間。降り注いだ。
銀テープ。

勢いよくとんだ銀テープが欲しくて。
手を伸ばせば、ロゴ入りなのがわかった。
でも、ちょっと前の方につっこみすぎたからか、銀テープは自分たちよりも後方へとんでいき。
自分の手元じゃギリギリとれなくて、少し後ろ向きにジャンプして。
空中高いところでつかみ取った。
・・・なぜにラストの曲が始まった瞬間、押しと逆方向の後ろへジャンプしてるんだ自分。
と思いつつも、それを腕に巻き付けて。

最後。
これまでのライブ、幾度となく。最後を飾ってきたこの曲で。
正直、曲に対してそういう風に思うのは、ラストツアーファイナルの大阪のトリプルで強く思った。
そう冷静に感じながらも、本当に本当に最後のセントを、忘れちゃいけないと思った。
もう皆の大合唱で、TAKAさんは涙声なのか全然声出てなくて、でもこれほどにあついセントは初めてだとも思った。

長いエンディングの後。

彼らはもう一度、ステージの上で手を繋いだ。
2度目の、手を繋いでおじぎ。

ありがとう、っていう気持ちがステージの上から伝わってきて、私も伝えたいとも思った。
あんな気持ちで拍手したことなんて今までなかったし、とてもあたたかかった。


曲が終わって、ピック投げやらスティック投げやらの後、
HIROさんとLEVINさんが抱き合ってたんだったかな?(違うかも)
で、そこを後ろからSHUSEさんが抱きついて。
3人で抱き合うって・・・と思っていて。
でも、TAKAさん、客の方に向かっていて全く気付かなくて。
皆が指さしたのか、ようやく気付いたTAKAさん。
TAKAさんも後ろから抱きついて。
4人が団子。

笑える光景ではあったけれど、なんだかじーんときた。

去る前、SHUSEさんがマイクで何か言おうとした瞬間、TAKAさんが先に口を開いてしまって、
あーあ、最後まで笑わせてくれるなあと思ったけど。

SHUSEさんの「ありがとう」の言葉には、私もありがとうー!って関西弁のイントネーションで叫んでしまった。

ラスト、HIROさんが。
「13年間ありがとう!」
って。涙混じりの声で。

それがこのライブの中で、一番「最後」を思わせた瞬間だった。

ステージの上からメンバーがいなくなってから、ステージへむけて、「ありがとう!」と叫ぶファンがたくさんいた。
きっと伝わってるよね。この思いは。

以上。
本当にありがとう。それでいっぱいです。
たくさんの素敵な音楽も笑顔もライブの思い出も、たくさんの仲間も。
皆で楽しい時間を共有できた幸せをくれたラクリマにただただ感謝です。
そして、最後の最後まで、最強バンドでいてくれてありがとう。と。
10年ちょっとかな、本当にありがとうございました!!

次ページは、断片的なMCの記憶です。
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